2014年 04月 01日
「十二夜」 |
台湾映画「十二夜」
『那些年,我們一起追的女孩/あの頃、君を追いかけた』の九把刀監督がプロデュースした
台湾の動物収容所を描いた映画。
タイトル通り収容期限である12日間を描いている。
台湾ではすべての収益を寄付とし、製作費も監督や関係者からの寄付によって
制作されている。
香港では、劇場の収益はSAAに、そして版権の20万香港ドルはNPVに寄付。
関連グッズの売り上げ金も保護団体に寄付。
完全なる喜劇ならいいけれど、動物物は私も苦手ではある。
だけど、多くの人が見れば話題になる。話題なれば、もっとたくさんの人が見てくれたり、
関心を持ってくれる。
そして、こうした映画を作られた人に感謝と敬意をこめて、2日連続で観にいった。
1日目は先行上映で、監督もご来場。
翌日のNPVの慈善上映は、チケット代がすべてNPVの野良ちゃん基金に寄付となるというもの。
こちらも監督が会場に。
実物は小柄でお顔つるつるの九把刀監督
ほんの数シーンをのぞいてすべて収容所内の映像。
収容されてからの12日間。
悲しくて、美しい映像・・・・・・ものすごい情熱と愛を感じる映像で、
テクニックとかではない。
煽ることもなく、ただ淡々と撮られている、これが現実だということに
涙、ため息、憤り、恐怖、無力感、怒り・・そうしたさまざまな想いが
愛というカメラによって映し出されているというのか・・・
言葉ではうまく言い表せない・・・
「普通のカメラマンがだんだん精神に異常を来たしてきそうになるほど」残酷で
最もつらい撮影現場とあって、そのことは画面からも伝わってくる。
(何度も書くけど、映像も音楽も決して煽ってはいない)
期限12日間。
最大で18日間まで。
ある台湾の収容所で収容数が450匹にもなった、2013年の夏。
ポスターの中の名前はそのときのわんこたちの名前で
黄色になっているのが、今も生きている子たちの名前・・・・・
これからご覧になる方もいるかと思うので、あまり詳しくは書かないけれど・・・
食事はひとつのバケツに1日1回のみ。
力関係の弱い子は、他の子が食べ終わるまで待たねばならない。
そして所内に蔓延する病気・・・ジステンパー、出血性腸炎・・・
元気だった子ですら病気になってしまう場所。
12日間を待たずとも・・・・・多くの子たちが病気となり、死んでいく。
そしてもちろん、収容中に「治療」というオプションはない・・・
大きな子も、子犬も、みんな・・・毎日毎日死んでいく。
おなかをすかせ、病気に苦しみ、なんの治療もないまま・・・
そして、なんとか生き延びたとしても、12日後には安楽死が待っている。
1匹1匹に鎮静剤を打ち、そして薬が効いてきたころにバルビツレイトなどの安楽死の注射を打つ。
安楽死自体もちろん反対ではあるし、安楽死の注射も決して楽ではない。
楽ではないけれど、ドリームボックスなどというバカげた窒息死ボックスは少しはマシなのか?
不謹慎ながら・・・1匹1匹が人の手によってというのは、ボタン一つよりは台湾のほうが
まだ・・・なのかなとちょっとだけ思ってしまった。
最悪の中での比較だな・・・
環境をまず整えることは今早急にすべきことの一つであると思う。
あれほど元気だった子たちがばたばたと病気で倒れていき、ふくよかだった身体がみるみる
骨と皮になってしまう・・・そのためにはまずはほんとうに収容所の環境を
整えること。
そして、買わない、里親になる、そして捨てない・・・このことを広め、実行していくこと。
なぜなら、里子として引き取られる子が増えれば、先に収容された子たちは
次から次に収容させられる子たちのために「場所」をあけるため、
安楽死しなくていいから・・・
「領養、不棄養」、このことを世界へと伝えるための映画。
どうやらシンガポールからも上映の話が来ているようである。
日本でも上映されればいいのに・・・・
現実ゆえ、悲しい映画。
でも、悲しいだけではない映画、そこにはカメラを通して愛がにじみ、溢れている。
そして、犬たちの瞳の美しさ・・・・・
そこに人は神を見る・・・・・
撮影中、私費で獣医に連れていってもらった子もいる。
この映画に携わった人や、その友人知人によって引き取られた子もいる。
撮影後収容所にボランティアとして通うスタッフもいるらしい。
台湾全土の数か所にある収容所の中(7か所だったか、9か所だったか?)で、撮影を許可してくれたのは
ここ1か所だけだったということ。
他は公開できない・・・ということは、ここよりももっともっとひどいということ。
(映画では、殴られるとかそうしたシーンはない)
ちなみに香港の漁農署は外部公開なし。
関係者以外はいっさい中を見ることをできない。
一部の団体が引き出しなどもしているが、中を見ることはできないとのこと・・・
そして、収容期間1週間、実質には4日間・・・・
4日間、つまり狭い香港なのと、チップを入れている子も多いので、それだけあれば迷子の子などはおうちの人が探すのに充分な時間ということでそう設定されているようである。
では、おうちのないお外の子の場合は・・・・・・・
殺すためのお金より、活かすために使う。
場所も人もお金も足りない?
そうかな、戦いのための武器を作り、買うことをやめれば、きっと地球上のすべての
子たち、人も動物も清潔な場所で、おなかいっぱい食べ、何kああれば治療を受け、お日様を浴び、「生きる」ということを享受できるのに・・・・・
まずは、「領養、不棄養」!そしてできることをしていくこと
「この世の残酷な事を変えていきたいと思うのなら、まずは勇気を出してそれを直視すること」RAYE監督
「この映画が人々の心動かし、そしてその人たちが世界をもっとすばらしい場所にしようと
立ちあがってくれるように」九把刀監製
旺角で見かけたSAAの「十二夜」バス
地球は人間たちのためだけにあるんじゃなーーーーい!
眠れよい子よ・・・
うとうと
うとうとうと
この眠りを・・・守ってあげたいとそう思う・・・そう、みんなのね
*淡々と、そして悲しい映画ではあるけれど、ほんのちょっぴりクスッという
シーンもあって、そこで息継ぎできる。
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by compawsion
| 2014-04-01 01:54